小さな小さな愛の歌

永遠にさざめく光のあなたへ

ガラスの世界の綻び

ガラスはガラスであるが故に

美しく

 

ガラスの世界で

残る永遠もまた

 

ガラスの世界であるが故に

輝く

 

ガラスと永遠

 

この二つが

一つの世界に

共に存在するからこそ

 

この世界は美しい

 

 

ガラスで囲まれた

世界の中で

 

 

割れない愛が

 

静かな永遠

 

 

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目の前で割れた

ガラスの音と共に

 

 

時が止まったように

彼女は立ち尽くした

 

 

たった一つの罅なのに

そこから割れ出す全て

 

 

目に見える全ては

あまりにも脆く

 

 

「これがこの世界の全て」

 

 

人生の結末を見せるように

散らばったガラスの欠片は

 

 

あまりに静かだった

 

 

 

静かな世界で

 

 

割れるガラスと共に

襲った絶望の先

 

 

儚く割れるガラスの先

 

 

 

時がきたように

羽を伸ばす

 

割れない永遠

 

 

 

シャボン玉は

 

シャボン玉に

虹をかけた光は消えないことを

 

教えるために割れるのだろうか

 

 

 

肉体もまた

ガラスのように

いつしか割れていくのだと

 

 

この世界は

ガラスの世界なのだと

 

 

握っているものは

全てガラスなのだと

 

 

彼女が気付くまで

ガラスは割れ続けた

 

 

 

「   この世界の何が残る

 

    何も残らないでしょう  

 

 

        でも、、      」

 

 

 

割れないで、、

 

そんな願いが届くことはなく

容赦なく割れていくガラスは

 

決して

彼女に悲しみを

教えたかったわけではなく

 

ただ

 

割れた先で

輝く永遠を見せたかった

 

彼女という永遠を見せたかった

 

 

 

 

 「    どうしたって

 

     あなたは残るでしょう   

 

 

      肉体が消えても

 

    消えないあなたがいるでしょう   」

 

 

 

そのためだけに

 

割れ続ける幻想

 

 

初めから

存在すらしてない幻想

 

 

 

その先で

限りのない幸せがあるからこそ

 

この世界の全ては割れていくのだろう

 

 

 

 

 

 

でも、、と言い訳しても

 

現実は、、と言い訳しても

 

いつしかそんな言い訳すら

割れていく

 

 

 

 

「     この世界も

 

    自分も愛でしかなかった    」

 

 

物で溢れた世界で

 

 

こんな単純なことに気づくことが

何より難しいのだと

 

 

 

繰り返し続けた命の先で

永遠を知る

 

 

この世界は

ガラスの世界

 

 

そして

 

 

ガラスの世界で

当たり前に残る永遠は

 

 

ただ一つ愛だった

 

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「   何も起こらない時間を超えて

       終わる今日に

 

       明日もきっと

      何も起こらなくて

 

      全て全て嘘だったら

       なんて思うよ        」

 

 

 

猶予をいただいたこの星の中で

 

 

愛で

繋ぎ止める今の中で

 

 

生かされる命の時間

 

 

未来が当たり前にあるように

見えるこの世界は

 

 

ただ目に見えない愛で

 

 

この星に住む人たちの

幸せを願う愛で

やっと繋いでいる世界

 

 

今日は誰かの愛から生まれた

 

 

そして明日を作るために

今 懇願する人たちがいる

 

 

愛されていないのなら

今日すらなかった

 

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